とりないてやまさらにしずかなり~鳥啼山更幽~

深い森の中でした。

背の高い木々に
わさわさと葉が生い茂り
日の光も差し込まず。

けれど私は落ち着いて
まっすぐ歩いていました。

小さくて丸い光が
導いてくれるのです。

あれは、きっと神やんです。

どんどん、どんどん歩きました。

鳥の声?
篠笛?

ピーっと高い音がして
それからシーンとなって。

その静けさと言ったら
「静けさ」という生き物が
私を取り囲んでいるようでした。

底なしの悲しみと
同時に爽快な気楽さ。

ひとりぼっちなのに
みんながいる、という感じ。

目覚めて思い出したのは
「鳥啼山更幽」です。

大自然の静寂を
鳥の鳴き声が破り

その後は以前より
深い静寂に包まれる。

あるひとつの変化が
そこに元々あったものを
際立たせる…

…ということでしょうか。

私は一人でいることが好きで
一人の時間を大切にしている
…つもりですが。

一人でいられる時間を
存分に味わっていない
そんなときもあります。

せっかく一人なのに
私にはどうしようもない
誰かのことを考えたりします。

一人でいられる時間は
自分自身とだけ
一緒にいるためのもの。

そんなことを思う今朝のことです。