「はじめまして」のごあいさつ、何度でも、誰とでも

「はじめまして」

 

と、その人は言いました。

 

神やんの姿でしたが

別の存在だと感じました。

 

私も、よそよそしく

 

「はじめまして」

 

と応じたのですが

 

「はじめまして」

 

というのは

なかなか深みのある

言葉ですね。

 

…「て」

という接続助詞で

終わっていますから

 

この後に何かが

続きそうな予感です。

 

....................

 

あなたとは、初めて

お会いしましたね。

 

わたくしは△△というものです。

 

ご縁があったので

できるだけ愉快に

過ごしませんか?

 

いえ、無理にとは

申しませんが。

 

縁があっても

気が合わない

という場合もあるので

 

気が合うかどうか

試しにお互い

探ってみませんか?

 

顔色が良くないですね。

お疲れですか?

それとも何か悩みごと?

 

私も顔色が悪いですけれど

これは単なる寝不足で

どうぞご心配なく。

 

あ、こちらの椅子に

どうぞ座ってください。

 

正面より斜めの方が

話しやすいですよね?

 

では私、ここに座ります。

....................

 

私たちは

「はじめまして」

という一言を交わすとき

一瞬で膨大な量の

情報を送受信します。

 

相手の状況

周囲の環境

自分のコンディション

 

その他もろもろ

常に変化していて

 

何度も会った人とも

毎回の出会いが

 

「はじめまして」

なのかもしれません。

 

うんざりするほど

毎日毎日

顔を合わせる相手とも

 

今日の相手と自分は

今の自分と相手は

「はじめまして」

 

ですね。

 

ここまで書いてみて

 

やはり、あの人

あの今朝の人は

 

神やんだった

と気づきました。